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食とあそびと昼寝とプログラミング学習

フィヨルドブートキャンプを卒業してWebエンジニアとして就職しました

はじめに

こんにちは。トミーと申します。掲題の通りフィヨルドブートキャンプ(以下FBC)というプログラミングスクールを卒業後、Webエンジニアとして自社開発の会社に内定し、今日から働くことになりました。

内定をいただいたのはTebiki株式会社という、デスクレスワーカー向けの動画教育のSaaSを作っているスタートアップです。 技術スタックはRailsとVue.jsで、FBCでずっと触ってきた技術なので馴染み深い!

もしかしたら未経験からWebエンジニアを目指している方、FBCに入るか迷っている方などに役に立つかも知れないと思うので自分の経験を書き記しておこうかと思います。

もくじ

私について

似たバックグラウンドの方の参考になるかもしれないので、一応私の簡単な経歴を書いておきます。

  • 1993年3月生まれ(2022年時点で29歳)
  • 早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系卒業
  • 前職(2社目)は商社でワインの輸入業と英語関係の雑用
  • 2020年4月末で前職を退職後、2020年10月〜2022年8月までFBCにてプログラミングの学習

経歴はめちゃくちゃ不利でもないし、有利な特性も別にないって感じだと思います。

なぜか年齢を気にする会社は日本では2022年の現在も多いようなので、ギリ20代なのは有利だったのかもしれません。

離職期間は約2年半なのでかなり長いと思いますが、受けていたのがスクールの提携先企業ということもあり、選考に際し特に不利にはならなかったと思います。選考中もそこに関しての質問はされませんでした。

転職について

Webエンジニアを目指した理由

私はもともと大学では文学や映画を勉強していて、仕事というものへのイメージが全く持てないし意欲もないという早稲田の文キャンにはよくいるタイプのアホ学生でした。

まあ芸術を仕事にするほどの根性も能力もないし、食べていけるだけの最低限の仕事ができればいいというナメた態度で就活をしていたので、新卒時の就活は大失敗し入った会社は1ヶ月で退職することになりました。

それから半年後、英語ができる人材を探していた前職(小さな商社)で拾ってもらい、好きな英語を生かせる環境で自由にいろんなことを経験させてもらいました。小さな会社だったのですが教育に力を入れていて、なんの実績もないときからラスベガスや香港などの海外の展示会に「勉強のため」に連れて行ってもらったり、高額な英会話のコーチングスクールに通わせてもらったりしていました。

得意な英語に関しては頼られる一方で、あまり仕事を通じた成長を感じづらくなっていました。 特に新規事業であるワインの輸入というミッションを達成したあとは日々のルーチンワークに面白さを感じられなくなり、「もっと勉強したいのにな」とフラストレーションを感じていました。

そんな中唯一面白いと思えていたのが、社内のシステム開発部が作っている基幹システムに、システムを使う側として機能改善の意見を伝えたりバグ報告を行うことでした。最初はプログラムがどういうふうに出来ているのかも分からず、曖昧な提案をして却下されたり、バグの再現手順を細かく問われたりすることに苛立ちを感じていましたが、現実の問題から規則性を導き出し、解決策を考え出す作業が「これって大学でやってたことと一緒だ」と気づいてからプログラミングに面白さを感じるようになり、だんだん自分もこういう仕事をしたいなと考えるようになりました。

(余談: 理系の人にはもしかしたら偏見があるかもしれませんが、人文学の分野でもテクストを読んで表象されたものを正確に抽出し、方法論に則って論理を組み立て新しい理論を確立させていくという作業を行います。研究対象が芸術作品だからといって論理的な作業を行わないわけではないし、私は謎の学部出身ですが大学で学んだことはプログラミング学習にも大いに役に立ちました)

小さい会社だったため、前職に在籍したまま部署移動しSEとして働くというキャリアパスはあまり現実的ではなかったので、自分で学習してキャリアチェンジしようと思い、2020年4月末に退職しました。この時点ではWeb系という概念を知らず、何でもいいからプログラムを書く仕事がしたいという気持ちでした。

FBCに入った理由

仕事を辞めてからしばらくは独学でプログラミングを学んだり、Wantedlyなどで完全未経験でも採用してくれる会社がないか探したり、大学に戻るのがいいのかも?みたいに右往左往していました。

前職はIT業界でない上に身近に相談できる人もおらず、何を学習すべきか・どんな会社に入るべきかみたいな指針を全く持っていない状態だったため、現実的な選択肢はプログラミングスクールに入ることだろうな、と思っていました。プログラミングスクールを調べている中でやっとWebエンジニアという職種を知り、風通しがよさそうで理想の働き方かもと感じました。

私は英語がわかるので、3ヶ月で英語でWeb開発を学べる某スクールを検討していたのですが、いくらよいカリキュラムでも3ヶ月の詰め込み学習が根性のない自分には向いているとはどうしても思えず(多分途中でやる気が尽きて、3ヶ月を惰性でやり過ごす方にシフトチェンジしそう)、またとても高額(FBCの学費で換算したら40ヶ月分くらい)だったため申し込みを思いとどまりました。

そんな中、あるオンラインのイベントで(当時FBCのメンターをされていた)りほやんさんの存在を知り、「なんていい人なんだ!」と感激してTwitterをフォローしたところ、FBCというプログラミングスクールのメンターをされていることを知りました。

FBCのサイトを開くと、普通のプログラミングスクールみたいな大量の広告がなくて、手作りっぽいデザインと率直な文章でサービスの説明がされていて、「なんかわかんないけどプロフェッショナルな気がするし信頼できそう」と感じました。

そして、月額29800円のサブスク方式が、以前検討していたスクールと比較すると破格だし、学習を続け身につけていくためにも理にかなっていると感じたので2020年10月より入会を決めたのでした。

FBC在籍中のことについては、リアルタイムでたくさんブログを書いているので割愛させてください。

就活の流れ

FBC経由で紹介していただいた1社で決まったので、カジュアル面談〜技術試験〜CTO面接〜体験入社+CEO面接〜内定まで1ヶ月半くらいで終わりました。

就活を本格的に始めたのは自作サービスのShadoneをリリースした1週間後くらいです。FBCの紹介企業の中にはチーム開発(自作サービス作成の前のプラクティス)の途中などからでも選考に進めるところもあるようですが、基本はリリースしてからの方が受けられる企業の選択肢が広がるイメージです。

Tebikiの技術試験やCTO面接では、プログラミングの知識というよりチームで働く姿勢を見られている感じがしました。これは会社によって違うとは思います。

ちなみに私の自作サービスはそこそこバズったんですが、そこはあんまり就活では関係なかったかなって感じです。これも会社によって違うとは思います。ただちゃんとサービスを作り切ったことで技術に関する理解が深まったしプロダクト開発へのイメージも湧いたので、作ったことは無駄ではなかったですね。

Tebikiを選んだ理由

いろいろあるので箇条書きで書いてみます。

  • tebikiというプロダクトが魅力的
  • FBCの先輩が2名働いている
  • 全ての開発をペアプロ・モブプロで行うノンソロ開発が超楽しそう

私は養う家族がおらず東京へ通勤可能な関東の実家に住んでいて、かつ別に引っ越してもいいとも思っていて、給与にも特別強いこだわりがないので、待遇でFBCの紹介企業から受けたい会社を絞り込むのはかなり難しかったです。

受託開発の会社か自社開発の会社かという問題については、他のプログラミングスクールの場合とは違うかもしれませんが、FBCでは「受託は技術志向の人が行くもの」みたいなイメージがあり、私は自分がプロダクト志向だと思っていたし周りの人にも「受託は向いてなさそう」みたいに言われたので、自社開発企業から選ぶことにしました。

自社開発の紹介企業もたくさんあるので、その中でFBCのメンターさんのアドバイスを参考にしつつ、1番嘘のない志望動機が書けたのがTebikiだった(他の会社は書けても嘘っぽくなってしまった)ので、あまり自信はなかったのですが試しに受けてみるか〜!と受けてみたら幸運なことに決まってしまったという感じでした。

あとは体験入社のときに実際のIssueのモブプロに参加させてもらい、ドメイン知識がゼロなので難しいとは思ったのですが、先輩とずっと一緒に開発できるため手も足も出なくてつらいみたいなことはなかったので、ジュニアとして1社目に入る会社として効率的に成長できるすごくありがたい環境だと感じたのもTebikiを選んだ理由の一つです。

フィヨルドブートキャンプについて

やってよかったこと

いろいろあるんですが、プロのエンジニアの人とたくさん交流できたことはよかったことのひとつだと思います。 「エンジニア」がどういう人たちなのかっていう実態?を知っていたから、相手からどういう視点でジャッジされているのか分からなくて不安、みたいにむやみに怖がることなく面接に臨むことができました。

あとは、長い時間をかけてのんびり学習できる環境のおかげで、自分が仕事や人生に求めているものがわかり、エンジニアとして働くことを楽しむことができるという確信が持てたこともよかったです。

反省点

学習後半は結構金銭的に余裕がなかったので、仕事を辞めてすぐにFBCに入っていればよかったな〜とは何度も思いました。もっと言うなら仕事を辞める前にFBCに出会っていたら、チーム開発のプラクティスまでは仕事をしながらでもできた気がします。

離職期間が就活に影響がないとしても、あんまり長い間無職でいると自己肯定感が少しずつ下がるので、もうちょっと効率よく学習を進めて1年くらいで卒業できたらよかったなとも思います。まあ自分の能力にも限界があるし、考えてもしょうがないことではあるんですが。

全体的な感想

私には合っていたので、入って良かったなと思っています。FBCのWebサイトのデザインを見たりkomagataさんのブログを読んで「なんかいいな」と感じたら合ってる可能性が高いと思います。

私は卒業生だからバイアスがかかっているかもしれないけど、今でもフィヨルドブートキャンプというWebサービスのファンです。好きなところは「(理にかなっているという意味で)reasonableな価格設定」と「カスタマイズ性が高いところ」です。

カスタマイズ性は、スクールでありながら学習コミュニティなので、輪読会を開催したり、モブプロで遊んだり、メンターではない野良エンジニアの方の話を聞いたりみたいな形で自由に学習体験を拡張できるのが自分にはとてもあっていました。

一方で、めちゃくちゃ高いレベルの技術力が身に付くみたいなのは私はあまり感じていないです。

卒業までにもっと高いレベルの技術力が求められるスクールもあると思うし、Ruby/Railsが現在のエンジニア市場で1番求められている技術なのかはよく分からないし、身も蓋もないことを言うと大学とかに行くのが「技術力」を身につけるために必要なものなのでは?と思うので、そういう意味でのつよさを身につけるために適した場所だとは感じませんでした。

一方で、エンジニアとしてのコミュニケーションの仕方、勉強の続け方、疑問の解決の仕方、OSSとの関わり方みたいな「仕事の現場で役に立つスキル」を身につけるためには、これ以上適したスクールはあまりないのではないかと感じます。

そして未経験エンジニアとして企業に求められているものって、モダンな技術で作ったかっこいいポートフォリオではなくて、こういった泥臭いスキルとそれを証明する成果物(FBCのチーム開発でのPRとか)の方なんじゃないかなあとも思います。

FBCへの希望

統計を取ったわけではないのでもしかしたら違うのかも知れませんが、自分を含めFBCに参加されている方の多くは「プログラミング未経験かつIT業界での就労も未経験」というバックグラウンドだと感じます。 私自身、IT業界でのキャリアを考えた時に「エンジニア」以外の選択肢が思い浮かびませんでした。が、実際にIT業界を知ると、エンジニア以外の選択肢もたくさんあり、もしかしたらエンジニアにならなくても自分の理想の働き方が選べたり、より向いている職務もあるかもしれないとも感じました。

なので別にコースが用意されていたりその職種への就職の斡旋がなくてもいいので、エンジニア職以外の職務のIT業界の方ともっと交流を持てたらいいなと感じました。

最後に

文系未経験の人がエンジニアを目指すことについて

私は権威主義とゲートキーピングが大嫌いなので、プログラミングスクールへの偏見がなくなってほしいと切に願っています。

卒業生の活躍のおかげで、Ruby界隈でFBCに偏見を持っている方はほぼいないと体感しています。しかしIT業界全体を見ると、FBCに関わらずプログラミングスクールを卒業した人に対して偏見を持っている人は少なくないと感じます。

私は女子・ジェンダーマイノリティの学生がSTEM分野へ進学する後押しをするNPOであるWaffleを少しだけお手伝いしています。ジェンダーバイアスのせいで若い人たちの将来の可能性が狭まってしまうことはありえないことだと思いつつ、自分自身が全然潰しの効かない人文系の勉強をして、結局社会人になってから時間とお金をつかってプログラミングを学び直したことには後悔はないんですよね。

何歳になっても勉強しなおして望む職に偏見なく就けるような社会にしていけるようにしていきたいし、キャリアチェンジのひとつの手段としてプログラミングスクールがもっと一般的になったらいいなと思うし、その中でFBCをいいなと思う人が増えたらいいな〜と思ってます!

Web業界はいまは社会のインフラを担っているのだから、いろんなバックグラウンドの人がいるのが当然だしより健全な姿だと思います🤗Diversity is Good!

どんなエンジニアになっていきたいか

Tebikiではペアプロ、モブプロで開発のほぼ全てを行うスタイルを現在採用しているそうです。なので私とペアワークをした相手が、楽しい、勉強になった、助けられたと思ってくれるようなエンジニアになりたいなと思います。

その上で、他の部署の方々の仕事をリスペクトし協働しつつ、プロダクトをよりよくするための提案をエンジニア目線で考え出せるようになりたいです。

社内では↑のようなエンジニアとして一人前になれるようがんばり、長い学習期間で培った社外のコミュニティとの縁も大事にしていけるように活動していこうと思います。

あとは無職期間が長過ぎて社会的信用ゼロ人間になってしまったので、失われた信用をなるはやで取り戻したいです🥺🥺🥺